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生産者と対話してみて

平成25年2月5日                        稲川 静

名古屋生活クラブの懇親会に初めて参加した。今まで生産者との交流会に参加したことはあったが、1対1でお話しさせてもらったのは初めてだった。

 何十人もみえる生産者のうち、私が深くお話できたのは数人ではあったが、共通しているのはとても意識が高く、ピュアな部分を持ってみえること。そしておおらか。この人たち素敵だなあと思った。慣行栽培の農家の場合、出荷用と自家用を分けて栽培するというのはよく聞く。それも生活のためには仕方がない面もあるのだろう。でもこの人たちは一人もそんなことはしない。みんな土を良くして、野菜を健康にして、それで無農薬を可能にしてきた人たちばかりだった。ある人は本当においしい野菜の味を知っているから自分の野菜の出来が悪いと出荷していいんだろうかと悩むとのことだった。「野菜の味の出来不出来は農家が一番よく知っている。自分の作ったものを毎日食卓に載せているんだから、それはわかるよ。」とおっしゃった。無農薬だけでも立派なのに、おいしいものを届けたいという思いがひしひしと伝わってきた。「食べてくれる人の顔を思い浮かべながら作るってすごい力になるんだ。良い時も悪い時もあるのが農業。わかっちゃいるけどへこむんだぁ。」とも。自然相手の仕事は、都会に住む私の想像をはるかに超えるものがあるのだろうと思うと頭が下がる思いがした。

 このほかにもいろいろ話をしたけれど、どの生産者もそれぞれのストーリーを持っていて、あっという間に時間が過ぎてしまった。一人一人の生産者からもっと話を聞きたいと思ってしまった。そして、注文書を前にして『あの人のものを買ってみよう』と思うようになった。人柄を知って『この人の作ったものなら安心できる』と脳がきっと判断したのだろう。

 今、生活クラブに生産者との密な交流会をもっとやって欲しいとお願いしてみようかと思っている。今までも生活クラブはいろいろな交流会を開いてくれている。『田んぼの生きもの観察会』『リンゴ狩り』『味噌作り』や『生産者をお呼びしての交流会』など様々だ。これらの企画も他の生協ではなかなかないもので、これが生活クラブの魅力の一つだとも言える。営業スタッフとして会社にお邪魔するようになって驚いたのが、生活クラブのスタッフの忙しさ。あの仕事もこの仕事も一人が抱え、息つく暇もない忙しさだ。全員のスタッフが同じように忙しいのだから、想像していただければわかると思う。こんな状況でまた仕事を増やすようなお願いは心苦しいが、ここは消費者の一人としてお願いしてみようかと思っている。生産者を知れば消費者にとっては安心につながるし、生産者がこんなことまで(たとえば環境のことまで)考えて行動しているんだということを知れば、自分はできないけれど『買い支える』ことによってその活動を自分も応援していることになると思えるならば、同じお金を使うにしても消費者にとってはとても幸せなことだと思う。そして、お会いすることで、生産者の方が元気になってくれるのならば、それも消費者にとってはうれしい。何より、私たち消費者にとっても作ってくれた生産者を思い出しながら料理をし、いただくことはとっても幸せだと思う。

消費者と名古屋生活クラブと生産者とみんなで一緒にいい関係、幸せな関係を作っていきたいと思うがどうだろう。同じ思いをもっている人はぜひ名古屋生活クラブまでご一報を!声が大きければ、想像以上の企画ができるかも?(笑)お待ちしております。

 

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