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環境ホルモンについて学びましょう

 配達員の高木です。

 みなさん、環境ホルモンという言葉をよく耳にするかと思いますが、何のことだかご存知ですか。私の場合、なんとなく悪いイメージを持っていただけで、ちゃんと理解していなかったので調べてみました。

■ まずは内分泌について!

 生物の体は、生きていくために必要な機能を調節するための仕組みをいくつか持っています。その仕組みの一つに分泌というものがあり、生物の体の中には、その機能を調節するための物質を作って蓄えておき、必要なときにその物質を細胞の外に出す「分泌」という働きをする細胞(分泌細胞)があります。分泌して細胞の外に出す先が、汗や唾液、母乳のように体の外に放出するものを外分泌と呼び、血管に放出し体の必要な場所で作用を発揮させる場合を内分泌と呼びます。そしてこの内分泌される物質がホルモンのことです。体の成長や代謝をコントロールする成長ホルモンや男性ホルモン、女性ホルモンなどが有名ですね。

■ 環境ホルモンとはこの内分泌の働きをかく乱する物質のこと!

 この内分泌の一連の過程に変化を与え、生物にとって有害な影響を及ぼすことを「内分泌かく乱作用」と言います。この内分泌かく乱作用には色々な場合があり、ホルモンの合成を阻害したり、ホルモンが血液で運ばれ作用を発揮するのを邪魔したり、かえって作用を強めたりします。つまり内分泌かく乱作用とは生体の複雑な機能調節のために重要な役割を果たしている、内分泌系の働きに影響を与え、生体に障害や有害な影響を引き起こすことなんです。そして環境ホルモンとは、環境中に存在して、生物に対しホルモンのような影響を与える化学物質、ということで内分泌かく乱作用を持つ化学物質の俗称といて用いられているものです。

■ 農薬にはさまざまな環境ホルモンがあります

 例えばみかんです。収穫の前日まで散布可能な防カビ剤として使用されているベノミルですが、このベノミルはラットの実験で雄の生殖器の重さや精子の減少が確認されており、また巻き貝の実験でも女性ホルモンが増え男性ホルモンが減ることが確認されています。

 男性ホルモンと女性ホルモンは構造的に非常によく似ており、1箇所の変化で簡単に男性ホルモンから女性ホルモンへと変化してしまいます。またホルモンは非常に少ない量で体内の機能を調節する物質であるため、わずかな量でも影響を与える危険性があります。

 それ以外にも除草剤として使用されているアトラジン。このアトラジンが雄のカエルの精巣の中に卵子のもとになる細胞を作ることが確認されています。実験では0.1ppbという超微量の濃度で行われましたが、アメリカ国内では実験で行われた濃度の10倍である1ppb以上の汚染が国内で確認されています。またフランスでは地下水が汚染されていることがわかったため2001年にアトラジンの使用禁止を発表していますが日本では相変わらず現在も販売され続けています。

■ その他にも環境ホルモンは身の回りにたくさんあるんですよ!

 身近にあるもので言うと、カップラーメンの容器に使われている素材があります。スチレンダイマーとスチレントリマーです。熱湯を入れると溶出する可能性があるとして、1998年に環境省が取り組んでいた「環境ホルモン戦略計画SPEED’98」にリストアップされていました。またポリカーボネート樹脂からはビスフェノールAが溶出することが問題となりカナダではそれを含むプラスチック製の哺乳瓶の販売が禁止になっています。その他にもDEHP(フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル))を含む塩化ビニル製の手袋を使用して詰めた弁当1食分で、動物実験結果から求められた許容量とほぼ同程度含まれていたことから平成12年に食品への使用を避けるよう通知が出されています。

 環境ホルモンは非常にわずかな量で影響を与えてしまいます。それが農薬として使用されればその地域の環境のみならず、水質も汚染され被害地域は広がってしまいます。すでに汚染は始まっているかもしれません。環境ホルモンのない生活が出来るよう心がけていきましょう。

 

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